追及質問1 答弁
片山知事
医師不足解消のための奨学金制度に関連した質問でありますが、いつだったでしょうか、鉄永議員との間で、新しい制度をつくる際にここで議論をしたことを私も覚えております。その際に、対象をもっと広く拡大したらどうかということが一つの論点でありましたけれども、それについては、私見も別枠的になりますので、いわばモチベーションの高い人をあらかじめ選抜をして、それで鳥大との連携の中で養成してもらうということがいいだろうということで、当面この制度でやらせてもらいたいということでスタートしつつあるところなのです。将来的に、全く今のままで全然変わらないのかといいましたら、それはわかりませんけれども、とりあえずスタートしたばかりでありますので、これの成り行きを見ていただきたいと思っております。鳥大以外に枠を拡大するということになりますと、これは別に私立大学に限りませんので、他の県にあります国公立大学、私立大学が多分対象になってくると思いますけれども、鳥大との関係でありますと、あらかじめ5人なら5人ということで決めて、そして、常に大学と我々と連携して、掌握ができるわけであります。ですから、モチベーションの高いまますくすくと教育を受けてもらいたいということが期待できるわけでありますけれども、全国へ広げるということになりますと、とにかくどこの医学部でもいいから帰ってくることを条件にということにならざるを得ないのであります。別々の試験をするというわけにはいきませんから。何大学に行くから、では、県が関与して一人一人試験をしましょうというわけにはいきませんので、たまたまどこかの、他県の大学の医学部に入った人で県に戻ってくるということをいわば口約束で奨学金を交付するということになるわけで、多分歩どまりは非常に低くなると私は思います。恐らくは在学期間中のていのいいファイナンスになってしまうのではないか。これはちょっと物の見方が意地悪かもしれませんけれども、そういう可能性もあるのではないかという気がするのです。
それを防ごうと思いましたら、例えば、約束をたがえた場合には5倍返しとか、そういうこともできるのなら、かなりいい制度になるかもしれませんけれども、ちょっとあこぎな仕組みではないかと思ったりもします。鳥大の今の別枠と同じ条件で仕組みをつくってしまったら、恐らくは歩どまりは著しく悪くなって、広範に網をかけないといけない。そうすると、莫大な金を使って、労多くして益なしと、こういうことになるのではないかと思ったりもするのです。
医師確保としては、先般も福祉保健部長が答弁の中で少し述べておりましたけれども、例えば、医局的なものを県ないし県立病院が関与した形でつくって、医師不足解消に役立てるようなことをすればというようなことも実は今、内々に検討しておりまして、そんなことも、もし検討の結果が出れば、また提案させていただきたいと思っているところであります。
女性医師の確保との関連で、仕事と結婚とか子育てが両立しやすい環境をということで、これは医師不足の解消ということももちろんあるかもしれませんけれども、男女共同参画ということで、先般警察官の話も出ましたけれども、それと同じような文脈の中で本来とらえるべき課題だろうと思っております。
医療機関でありまして、そうでなくても、今、医師不足の中でありますから、なかなか思うに任せないところがあって、それが病院事業管理者の答弁にも多少色濃くにじんでいたのかもしれませんけれども、いい機会でありますから、この際、病院事業管理者の方から話を聞いて、実態をよく点検してみたいと思います。そして、改善の余地がないかどうか調べてみたいと思います。